1年前に参加したウイスキー部の講座ですが、
とても美味しく勉強になったのと、メモが残っていたので、
記憶をたどりつつ、記事にまとめてみます。
グレンフィディック
世界一出荷量の多い、スコッチを代表するシングルモルト。
スムースでバランスの良い味わいです。
グレンフィディックは、ゲール語で、蒸溜所が立地するフィディック川の谷間、
グレン=谷
フィディック=鹿
に由来しています。
鹿を見ることができるような豊かな自然環境にて、
美しい湧き水で仕込まれたウイスキーです。
グレンフィディック 12年
アメリカンオークとスパニッシュオークの樽で、最低12年間熟成。
洋梨、柑橘、はちみつ、メープル、青リンゴを思わせる香り、味わい。
フルーティーな印象。
アルコール度数40%。
軽やかで、飲みやすい!
ウイスキー初心者が、
最初に飲むシングルモルトとしても超オススメ!
グレンフィディック 15年 ディスティラリーエディション
ノンチルフィルタード(冷却濾過しない)
オロロソシェリー樽→バーボン樽で15年以上熟成したモルト原酒。
12年よりも蜂蜜を思わせる香りが強め。
口に含むとビリビリとした辛さがある。
アルコール度数51%。
12年よりも味わいに厚みがあり、レーズンの後味を感じる。
ロックにすると、氷かとけるごとに、
辛さ→甘みへと、印象のバランスが変わる。
グレンフィディック 18年
スパニッシュオロロソシェリー樽とアメリカンオーク樽で18年以上熟成した原種をブレンドし、さらに3ヶ月以上熟成。
ウッド感。枯葉。シナモン。
熟した果実感だけど、スムースで柔らかく、長い余韻がある。
辛さは落ち着ついている。
アルコール度数40%。
ボウモア
スコットランド西岸沖のアイラ島にある蒸溜所。
ほとんどの蒸留所は外注してしまっている、
ピート採掘や大麦のフロアモルティングなどを自前で行い、
伝統製法を職人たちが継承し、
クラフトマンシップ溢れるウイスキーづくりを続けています。
(他で自家モルトで製造している蒸留所は、
ハイランドパーク、ラフロイグ、キルホーマン、ベンリアック、バルベニーなど)
アイラモルトの女王と呼ばれ、
スモーキーだけどフルーティー、
そしてハチミツを思わせる甘くエレガントな香りが特徴とされています。
ボウモア 12年
スモーキーな香り。
味わいは、スモーキーさ、さっぱりした柑橘感、まったりした蜂蜜の甘さのバランスが整っていて、丸みのある印象。
塩っぽい。(海抜0mの貯蔵所にて、潮風の影響を受けている)
グレンフィディックがシングルモルトの入門編だとすると、
ボウモアは、アイラモルトの入門編。
スモーキーなウイスキーにハマっていくか、登竜門となります。
ボウモア 15年 ダーケスト
バーボン樽で12年間熟成させた原酒を、オロロソシェリー樽で3年間更に熟成。
ダーケスト=樽の内側を焼いていることで、樽熟成によって苦みやチョコレート感が生まれます。
チョコ、レーズン。ウッディ。苦味。
スモーキーな印象は奥に隠れている。
堀口珈琲のブレンド5番を思い出しました。
ボウモア 18年
シェリー樽の比率を高めて、ボウモア特有のスモーキーの中に、シェリー由来のスイート感を際立たせたボトル。
熟しつつ、軽やかな果実感。ほのかな甘み、キャラメル。スモーキー。
余韻が、繊細に続き、きれいに消えていく。
うつくしい女王。高貴さを感じる。
感想
それぞれの蒸溜所に、一貫した個性がありました。
グレンフィディックは、世界一の出荷量のシングルモルトとして、
万人が好む美味しさと飲みやすさを追求しつつ、
スコッチの代表として、伝統製法をしっかり守り抜く信念を持ったウイスキーづくり。
ボウモアは、ウイスキーの聖地、アイラ島の女王という立ち位置で、
スモーキーさと、華やかな気品の美しいバランスを強く感じました。
熟成年数によって、個性のどんな面を主張したいのかも分かり、
充実した飲み比べでした。
ウィスキーは、シンプルに味を楽しむだけでなく、
作り手の信念やストーリーなど、知識があることで、
味と想像力を組み合わせて、
さらに美味しく楽しめる嗜好品になります。
様々な体験を重ね、
日々のウイスキーライフをじっくり楽しんでいきます。