「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」に行ってきたよ。vol.2。展示について。
記念撮影用のスポット。
ここに入って写真を撮れば、地獄にいるような写真になるやつ。
展示について
15世紀から現代まで、500年に渡るベルギーの絵画、版画、彫
天国、地獄、夢、無意識など、空想的なイメージを写実的に表現し
不思議で幻想的な絵が心を惹きつけ、
心の闇に光が当てられるような気持ちになります。
今回の展示を見て思ったこと
1.自分の悩みが小さく思えてくる
絶望を相対化できる。
ベルギーは、ヨーロッパの小さな国なので、大国から植民地支配を
厳しい歴史の中、悪魔、死神、地獄などが、幻想感が漂う写実的描
それと比べたら、今の自分の悩みは、たいしたことないなと思わ
2.人間の愚かさは変わらないと開き直れる
裸の娼婦を描いた絵画に、タイトルを「娼婦政治家」として、政治
心臓部分に金塊を抱えた逆さまの骸骨のインスタレーションをつく
人の愚かさは、まぁ昔も今も変わらずとして続いているものだなと
周りの人にも、自分にも、愚かなところはあるが、数百年前も変わ
いい意味で、開き直れます。
3.ポール・デルヴォーは、スピッツ
ポール・デルヴォーは、ガイコツ、女性、夜をモチーフに、幻想的
ポール・デルヴォーは、最愛の女性、タムとの結婚を、母親に猛反
タムと別れてから、同じ顔の裸の女性を繰り返し描くようになる。
現実で叶わなかったことが、想像の中で幻想的に美しく叶う。
スピッツの代表曲、ロビンソンのサビで歌われている、
”誰も触れない 二人だけの国 君の手を離さぬように”
という世界が、ポール・デルヴォーの絵からも滲み出ているなぁと
4.マグリットは、AKB48
マグリットは、20世紀のシュルレアリズムを代表する画家。
AKBは、2010年代のJ-pop、アイドル文化を代表する
共通点は、「イノベーション」と「イマジネーション」。
イノベーション
マグリットは、
木の葉、鳥、空、海、雨、岩
普通のモチーフをいかに新しく見せるか。
という部分で、イノベーティブなイメージの作品を多く残した。
左側。
「鳥が空を飛ぶ」のに加えて「鳥が空になっている」
異様だけど、twitterのアイコンにも似てて、かわいい。
右側のおじさんが浮遊している絵も、重力が無視されていて、
どちらも、世の中の常識が壊されたイメージとなっている。
AKBは、日本の音楽市場にあった、
「CD=楽曲」という概念を壊して、
「CD=限定コンテンツ(握手権、投票権)」という新しい価値を
同じCDを何枚も買う。
自分はアイドル好きですが、
イマジネーション
両者とも、作品とタイトルの組み合わせで、
受け手にイマジネーションを働かせるのがとても上手いです。
マグリット
絵:「雪山」 タイトル:「前兆」→ タイトルを見ることで、「あれ?雪崩が起きるのか?」など、一気に不安なイメージが生まれる。
絵:「空と雲」 タイトル:「呪い」→謎。タイトルは期待を裏切り、受け手に解釈を委ねている。
AKB
タイトル:「恋するフォーチュンクッキー」→え?どんなクッキー?
タイトル:「大声ダイヤモンド」→曲を聴くと、「大声で好きだと叫ぶ、ダイヤモンドのように輝く青春。」ということが分かる。
ヒットメーカーは、興味を惹くタイトルをつけるセンスもすごいなぁ。
そんな感じで、面白い展覧会でした。
オススメなので、気になる人はぜひ。
渋谷bunkamuraでの開催は、
2017年9月24日(日)までです。